男子シングル結果を振り返る [フィギュア・スケート]
昨年のNHK杯から応援し続け、全米でハラハラさせられたリッポン君のオリンピ
ックが無事に終わりました
リッポン君はこの4回転時代、クワドという武器を持たずに戦いました。
試合後のリッポン君の言葉↓
「僕はチームイベントでは仲間のために滑り、個人戦では自分のために滑った。僕は
アップダウンの激しい本当に長いキャリアを過ごした。オリンピックを終えること、
様々な出来事が起こるなか三つのプログラムをクリーンに滑ったこと、個人戦で10位
に入ったこと、団体の銅メダル、それは僕にとってオリンピックの夢だった」
(訳せばこんな感じかな?)
負担の大きいフリー二回を若手に変わって担い、サポートしてくれるスポンサー
の顔を立て、LGBTコミュニティの応援にも答え、さらにはペンス陣営?の
バッシングにも屈しなかったリッポン君に拍手!
その奇跡にまず感謝
以下、さっくり感想です。
全体的な感想として順位に異議なし、です。
SP、LSノーミスの演技だった羽生くんの2連覇に異議なし。
自分的のはプログラムの完成度、スケートの成熟度からいって銀はフェルナンデス
にあげたかった。フェルナンデスは「パイレーツオブカリビアン」など名プロが
多く、今回の「ラ・マンチャの男」もラテン系の彼ならではプログラムで、スペイン
初のメダルを狙う彼のすべてが注ぎ込まれた集大成だった。
宇野君、確かにメンタル強かったけどクリーンな演技じゃなかったよね。
ヴィンセント、アリエフ、ボーヤン選手はともに直前の全米、ユーロ、四大陸
で上り調子だったのであがってくるのは想定内。
でも団体戦、個人戦と4回も滑るチャンスがありながら一回もクリーンな演技が
できなかったコリヤダ君やパトリックの得点・順位にはかなり不服。
ジョニー時代から彼を見てきた私としては、最後の最後まで随分花もたせてもら
ってるなあって印象しかない。
んで割と波乱のなかった今回の大会でネイサンがまさかの大自爆。
、、自爆フラグはまったくなかったけど、開会式前の早朝の個人戦SPで調子が
でなかった選手はみな個人戦SPでもやらかした。
さらに今回のオリンピックの最大の見どころであった”羽生君完全復活劇”直後
の滑走順は誰にとっても鬼門だったに違いない。ネイサン、マモノに飲まれた?
私はリッポン君が団体戦に貢献して未来ちゃんとともに全米で大絶賛されてのる
のを見てて、この注目ぶりもネイサンが金とったら薄れていくのかなと内心思って
いた。おそらく多くのスケオタがそうだったと思うけど、大舞台でやらかすフラグは
リッポン君のほうに立ってた。全米でやらかして以来、何度その悪夢にうなされたか。
ところが蓋を開ければSP終了時点でなんとリッポン君はアメリカ勢トップの7位
でフィニッシュ。アメリカ男子、明暗分けたなあ~って。
ここから順位を上げるのは不可能であるにしろ、暫定1位にしてもらえたことも嬉
しかった。リッポン君、ジョニーと違ってSPで下げられなかったなあ~て。
今回の男子シングル、オリンピック間際になって言われていたのは4回転の数ではなく、
いかに差し引いてパーフェクトな演技ができるかが勝敗のカギ、ということだった。
実際4回転ルッツを予告どおりSPから入れ攻めにでたネイサンは大自爆。
彼がSPで落ちたおかげでフリーの最終Gは無理して難易度の高い4回転入れる必要
がなくなった。んでSP上位3人は誰も落ちることなく順当にメダルをゲット。
SP17位まで落ちたネイサンも逆襲のフリー1位でクワドキングの伝説作った。
いつなく平和で良演技が見られたオリンピックでした。
、、、それでも私リッポン君10位って結果を受け入れるのに数日かかったよ。
やはりファンとしてはミスがないのに7位→10位フィニッシュは悲しかった。
今の採点方ではリッポン君のような選手が優勝争いに絡む隙間などないわけで。
終わってみてリッポン君がジャンプ構成落としてオリンピックに挑んだ気持ちがよく
わかった。すでに最終Gに入る気なし。前の選手の大喝采やら大自爆やらの騒然とした
雰囲気のなかで演技を始めるより、メダルに絡まない前のグループで落ち着いて滑った
ほうが彼としても望ましかったのだろう。
ファンとしても前後の選手がやれ300点越え、史上最高得点更新やらで騒然とするなかで
リッポン君滑って欲しくなかったから。
”Best(最高)ではないけれどMost fun(もっとも楽しい)そんなスケートをしたい” と
宣言したその通りのことをファンに披露してくれたリッポン君。
3回滑って3回ともクリーンな演技。それってオリンピック2回分くらいに相当する価値
ある結果だと思う。
もうひとつ空恐ろしく感じたのはオリンピック2連覇、日本人ワンツーフィニッシュって
ロシア女子並み(まだ終わってないけど)の快挙の影に、ひたひたと迫る5位、6位のアメ
リカ男子二人の存在。リッポン君はギリギリ彼らのダディとしてチームメートになれたけど、
この二人と対等に闘えるアメリカ男子なんていないよ。ジェイソン君の戻る場がない。
(二人が獲得した3枠でジェイソンが安泰という構図ができるのか?)
私が好きだったアメリカ男子の系譜がいよいよ途切れるてしまうのかと思うとすごく残念。
私的にはリッポン君のオリンピック出場で8年分の空白を埋めてもらい、その思い出を糧にこれ
からも生きていけそうだからどうでもいいんだけど、いよいよフィギュアは終わったと思って
しまった。リッポン君が4年間味わった苦労をまたジェイソン君が味わうのは忍びない。
リッポン君絶好調のアメリカチャンピオンのときでさえワールド6位。だってもうアメリカ男子、
DNA的に無理だもん。ロシア男子だって今回のオリンピックの結果は重い。
なんかもう少しこういう↑選手が表彰台に絡める採点方になってくれないかなって思う。
同じことは8年前のブログにも書いたけど(→☆)PCSは「スケーティングスキル」「音楽解釈」
「トランジション」「演技力」「振付」の5つ以外のなにものであってもいけないと思うのです。
その辺リッポン君がもともと持ってる音楽的センスや、長年努力して培ってきたスケーティング技術
などがもうちょっと数値化される採点方だったらなあ、、、色々不条理感じたよ。
やはりスポーツなのでいい演技ができて満足、じゃないんです。やはり順位として残して欲しかった。
4年に一度のオリンピックはその選手にとっての通知表みたいなものだから。
ただバンクーバーでのジョニーが孤立無援だったのに対し、有難いことにリッポン君にはアメリカの
メディアがついている。アメリカのメディアはこぞってこの結果を受け止め、クワドがないがために
10位に甘んじたリッポン君に変わって声をあげている。
以下、アメリカのメディア抜粋(誤訳あるかも)
”リッポンの抒情的で物憂い?ルーティンを見ていて、多くの選手がそうしているような
ポイントを得るためだけのお尻で着地するジャンプを入れることによってこの美しさ
を汚されたくない。(ジョニー・ウィアー曰く、フットボールに例えるとTom Brady
が投げたパスをレシーバーが逃したらそれは試しただけでポイントにはならない)”
The Daily Beast / February 17
”数日後の個人戦について語ると、現在の採点方(欠陥があると思われる)ではリッポン
はメダル候補にはならない。
しかし誰も彼がすでに獲得したメダルを奪うことはできない。彼は永遠にアメリカの
オリンピックメダリストになる。彼のレガシー、そして彼がアメリカに愛された事実
は変わらない” Outsports / February 15
ジョニーもツイート
「8年前、オリンピックでフリーを終えた後、僕は僕のジェンダーに疑いをもつ人々のため
にプレカンをもたなければならなかった。今、スリリングでパワフルなヒーローとして
世界に受け入れられているアダム・リッポンを見ていて、僕は誇りと感謝を感じる」
私がかつて応援した選手が自分と同じ道をだとってきたリッポン君をこうしてリスペクト
してくれることが本当に嬉しい。、、、なんか私の過去と現在がようやくつながった気がするよ。
ジョニーの6位を今になってようやく受け入れられている自分がいる。
入賞圏内6位フィニッシュのジョニーに対して、リッポン君は確かに10位だったけど、
リッポン君はジョニーのように露骨に下げられたわけではない。
むしろジョニーはゲイの新しいロールモデルとしてアメリカに受け入れられているリッ
ポン君のことを誇りに思ってる。それもリッポン君のレガシーだよね。
つうかリッポン君、アメリカですごいことになってるよね!NBCのキャスターの話断って
最後まで選手村に留まる決意をしたリッポン君。私も最後までピョンチャンオリンピックを
楽しむつもりだよ!
ックが無事に終わりました
リッポン君はこの4回転時代、クワドという武器を持たずに戦いました。
試合後のリッポン君の言葉↓
「僕はチームイベントでは仲間のために滑り、個人戦では自分のために滑った。僕は
アップダウンの激しい本当に長いキャリアを過ごした。オリンピックを終えること、
様々な出来事が起こるなか三つのプログラムをクリーンに滑ったこと、個人戦で10位
に入ったこと、団体の銅メダル、それは僕にとってオリンピックの夢だった」
(訳せばこんな感じかな?)
負担の大きいフリー二回を若手に変わって担い、サポートしてくれるスポンサー
の顔を立て、LGBTコミュニティの応援にも答え、さらにはペンス陣営?の
バッシングにも屈しなかったリッポン君に拍手!
その奇跡にまず感謝
以下、さっくり感想です。
全体的な感想として順位に異議なし、です。
SP、LSノーミスの演技だった羽生くんの2連覇に異議なし。
自分的のはプログラムの完成度、スケートの成熟度からいって銀はフェルナンデス
にあげたかった。フェルナンデスは「パイレーツオブカリビアン」など名プロが
多く、今回の「ラ・マンチャの男」もラテン系の彼ならではプログラムで、スペイン
初のメダルを狙う彼のすべてが注ぎ込まれた集大成だった。
宇野君、確かにメンタル強かったけどクリーンな演技じゃなかったよね。
ヴィンセント、アリエフ、ボーヤン選手はともに直前の全米、ユーロ、四大陸
で上り調子だったのであがってくるのは想定内。
でも団体戦、個人戦と4回も滑るチャンスがありながら一回もクリーンな演技が
できなかったコリヤダ君やパトリックの得点・順位にはかなり不服。
ジョニー時代から彼を見てきた私としては、最後の最後まで随分花もたせてもら
ってるなあって印象しかない。
んで割と波乱のなかった今回の大会でネイサンがまさかの大自爆。
、、自爆フラグはまったくなかったけど、開会式前の早朝の個人戦SPで調子が
でなかった選手はみな個人戦SPでもやらかした。
さらに今回のオリンピックの最大の見どころであった”羽生君完全復活劇”直後
の滑走順は誰にとっても鬼門だったに違いない。ネイサン、マモノに飲まれた?
私はリッポン君が団体戦に貢献して未来ちゃんとともに全米で大絶賛されてのる
のを見てて、この注目ぶりもネイサンが金とったら薄れていくのかなと内心思って
いた。おそらく多くのスケオタがそうだったと思うけど、大舞台でやらかすフラグは
リッポン君のほうに立ってた。全米でやらかして以来、何度その悪夢にうなされたか。
ところが蓋を開ければSP終了時点でなんとリッポン君はアメリカ勢トップの7位
でフィニッシュ。アメリカ男子、明暗分けたなあ~って。
ここから順位を上げるのは不可能であるにしろ、暫定1位にしてもらえたことも嬉
しかった。リッポン君、ジョニーと違ってSPで下げられなかったなあ~て。
今回の男子シングル、オリンピック間際になって言われていたのは4回転の数ではなく、
いかに差し引いてパーフェクトな演技ができるかが勝敗のカギ、ということだった。
実際4回転ルッツを予告どおりSPから入れ攻めにでたネイサンは大自爆。
彼がSPで落ちたおかげでフリーの最終Gは無理して難易度の高い4回転入れる必要
がなくなった。んでSP上位3人は誰も落ちることなく順当にメダルをゲット。
SP17位まで落ちたネイサンも逆襲のフリー1位でクワドキングの伝説作った。
いつなく平和で良演技が見られたオリンピックでした。
、、、それでも私リッポン君10位って結果を受け入れるのに数日かかったよ。
やはりファンとしてはミスがないのに7位→10位フィニッシュは悲しかった。
今の採点方ではリッポン君のような選手が優勝争いに絡む隙間などないわけで。
終わってみてリッポン君がジャンプ構成落としてオリンピックに挑んだ気持ちがよく
わかった。すでに最終Gに入る気なし。前の選手の大喝采やら大自爆やらの騒然とした
雰囲気のなかで演技を始めるより、メダルに絡まない前のグループで落ち着いて滑った
ほうが彼としても望ましかったのだろう。
ファンとしても前後の選手がやれ300点越え、史上最高得点更新やらで騒然とするなかで
リッポン君滑って欲しくなかったから。
”Best(最高)ではないけれどMost fun(もっとも楽しい)そんなスケートをしたい” と
宣言したその通りのことをファンに披露してくれたリッポン君。
3回滑って3回ともクリーンな演技。それってオリンピック2回分くらいに相当する価値
ある結果だと思う。
もうひとつ空恐ろしく感じたのはオリンピック2連覇、日本人ワンツーフィニッシュって
ロシア女子並み(まだ終わってないけど)の快挙の影に、ひたひたと迫る5位、6位のアメ
リカ男子二人の存在。リッポン君はギリギリ彼らのダディとしてチームメートになれたけど、
この二人と対等に闘えるアメリカ男子なんていないよ。ジェイソン君の戻る場がない。
(二人が獲得した3枠でジェイソンが安泰という構図ができるのか?)
私が好きだったアメリカ男子の系譜がいよいよ途切れるてしまうのかと思うとすごく残念。
私的にはリッポン君のオリンピック出場で8年分の空白を埋めてもらい、その思い出を糧にこれ
からも生きていけそうだからどうでもいいんだけど、いよいよフィギュアは終わったと思って
しまった。リッポン君が4年間味わった苦労をまたジェイソン君が味わうのは忍びない。
リッポン君絶好調のアメリカチャンピオンのときでさえワールド6位。だってもうアメリカ男子、
DNA的に無理だもん。ロシア男子だって今回のオリンピックの結果は重い。
なんかもう少しこういう↑選手が表彰台に絡める採点方になってくれないかなって思う。
同じことは8年前のブログにも書いたけど(→☆)PCSは「スケーティングスキル」「音楽解釈」
「トランジション」「演技力」「振付」の5つ以外のなにものであってもいけないと思うのです。
その辺リッポン君がもともと持ってる音楽的センスや、長年努力して培ってきたスケーティング技術
などがもうちょっと数値化される採点方だったらなあ、、、色々不条理感じたよ。
やはりスポーツなのでいい演技ができて満足、じゃないんです。やはり順位として残して欲しかった。
4年に一度のオリンピックはその選手にとっての通知表みたいなものだから。
ただバンクーバーでのジョニーが孤立無援だったのに対し、有難いことにリッポン君にはアメリカの
メディアがついている。アメリカのメディアはこぞってこの結果を受け止め、クワドがないがために
10位に甘んじたリッポン君に変わって声をあげている。
以下、アメリカのメディア抜粋(誤訳あるかも)
”リッポンの抒情的で物憂い?ルーティンを見ていて、多くの選手がそうしているような
ポイントを得るためだけのお尻で着地するジャンプを入れることによってこの美しさ
を汚されたくない。(ジョニー・ウィアー曰く、フットボールに例えるとTom Brady
が投げたパスをレシーバーが逃したらそれは試しただけでポイントにはならない)”
The Daily Beast / February 17
”数日後の個人戦について語ると、現在の採点方(欠陥があると思われる)ではリッポン
はメダル候補にはならない。
しかし誰も彼がすでに獲得したメダルを奪うことはできない。彼は永遠にアメリカの
オリンピックメダリストになる。彼のレガシー、そして彼がアメリカに愛された事実
は変わらない” Outsports / February 15
ジョニーもツイート
「8年前、オリンピックでフリーを終えた後、僕は僕のジェンダーに疑いをもつ人々のため
にプレカンをもたなければならなかった。今、スリリングでパワフルなヒーローとして
世界に受け入れられているアダム・リッポンを見ていて、僕は誇りと感謝を感じる」
私がかつて応援した選手が自分と同じ道をだとってきたリッポン君をこうしてリスペクト
してくれることが本当に嬉しい。、、、なんか私の過去と現在がようやくつながった気がするよ。
ジョニーの6位を今になってようやく受け入れられている自分がいる。
入賞圏内6位フィニッシュのジョニーに対して、リッポン君は確かに10位だったけど、
リッポン君はジョニーのように露骨に下げられたわけではない。
むしろジョニーはゲイの新しいロールモデルとしてアメリカに受け入れられているリッ
ポン君のことを誇りに思ってる。それもリッポン君のレガシーだよね。
つうかリッポン君、アメリカですごいことになってるよね!NBCのキャスターの話断って
最後まで選手村に留まる決意をしたリッポン君。私も最後までピョンチャンオリンピックを
楽しむつもりだよ!
2018-02-21 08:36
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