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夏の宿題 [バレエ]

この夏、大学時代の恩師から一冊の本を頂きました。


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「イサドラ・ダンカン自伝」


この先生とは私が短大の英文学科に在籍していた時、第二外国語として選択したフランス語
の先生として出会いました。女子大の方は非常勤で本職は大手予備校の英語教師だそうです。
この先生は本来の授業より雑談が楽しい先生で、その当時から睡眠障害だったのか午後の
授業はほとんど寝落ちしていた(!!)私も雑談の時はガッツリ起きて聞いたんだよね。
その雑談の内容が映画だったりアニメだったり私の大好きなサブカルチャーの分野だったので
私もエキサイトして聞いてました。
「モディリアーニ」だったか「ロートレック」だったか忘れたけど、先生が尋ねた画家の名前
を私が言い当てたのをきっかけに先生と親しくお話するようになり、大学へ編入した後も社会人
となった後もステキなレストランやカフェあるいは屋台などでご馳走して頂いたのでした。
結婚後はさすがにお会いすることもなかったのですが、最近になって先生が本を専門分野である
英語の語学の本を執筆するようになり、著作を過去の生徒たちにも贈って下さるようなったのでした。
その礼状がてら近況をお伝えしたところ、上記の本を贈って下さったのでした。
頂いたからには読まねばならない。感想を書かなくては礼状を出さなくてはと夏の課題となりました。



イサドラ・ダンカンは100年ほど前のヨーロッパので活躍したアメリカ出身のダンサーです。
ダンサーといっても彼女は正式にダンスを習ったわけではなく、自分で創作した踊りを披露して
その名を残した女性。その一生は波乱万丈で晩年もけして幸福ではありませんでした。
彼女の理論によれば確固としたメッソドの確立したバレエこそ体を痛めつけるだけの自然の流れに
反した舞台芸術で、”肉体は透明になって心と魂のための媒体となるもの”という彼女の理論とは
相対するものだとか。彼女のダンスはギリシア風の衣装をまとい足は裸足のまま自然と戯れるように、
音楽の感じるままに踊るというスタイルで、彼女のダンスが芸術にもたらすであろう革命的役割に
ついて一貫して説いたそうです。当初はなかなか理解が得られず「教会で踊れ」などと言われ随分
貧しい時代を過ごしましたが、次第に彼女の革新的なダンスはヨーロッパの芸術家たちに理解され
るようになり興行的に成功していったそうです。しかし一方で子供を事故で失い、自分自身も不慮の
事故で若くして亡くなるというけして幸福でない生涯を送っています。
動画で見られる彼女の踊りは幼い子供が蝶のようにひらひら舞いながらスキップいる感じ。
そこにはなんら技巧的なステップはなく、それこそ魂が感じるままに即興で踊ってる印象です。
芸術の枠にとらわれることなく独自の解釈で音楽表現した彼女のダンスは、生涯引っ越しを繰り返し
様々な文化の中で試行錯誤し、結婚することなく様々な男性と自由に恋愛し子供をもうけた彼女の
生き方そのもの。女神のように崇拝されたかと思ったら蔑まされたりの繰り返しだったその生涯。
革新的な舞踏家として名を残した反面、子供の死から立ち直ることができず学校設立の夢も頓挫し、
失意の晩年を送ったとも言います。
波乱に満ちた100年前のダンサーの生き様を興味深く読むことができました。

先生に礼状を出すにあたり、私の近況報告として昨年の発表会の写真をハガキにしてみました。
10枚も作っちゃったんだけど他に需要ないかな~~
とりあえずこれで夏の宿題を無事提出できました。
にしてもわざわざ私がバレエをやっていることを覚えていて下さり、こうして本をプレゼント
してくれるなんて嬉しいことです[グッド(上向き矢印)]




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