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ロイヤルバレエ第3陣 [バレエ]

次なるロイヤルバレエDVDはこちら
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ロイヤルバレエのオリジナル作品「不思議の国のアリス」
ちなみにワジム王子は出ていません[あせあせ(飛び散る汗)]
でもやっぱりリハーサル映像(←注:オリジナルキャストではない)を見ていて
どーしても完成作品見たくなった。


ルイス・キャロルの児童文学が原作ですが、ディズニーアニメともティム・バートン
の実写映画とも異なる設定になっています。
というか手っ取り早く言うと抱腹絶倒ドタバタ喜劇。ロイヤルバレエも
やるねえという感じの作品なのです。

それでもこの作品、ロイヤルならでの良さががつまってる。
まずキャラクターの多様性。ロイヤルバレエはロシアのボリショイやフランスの
オペラ座と違って多国籍のダンサーが在籍するため様々な人種が混在してます。
さらにローザンヌのスカレシップを得て入学・入団してくるダンサーも多く、様々な
バレエ学校出身者が存在するのでバレエのメソッドも様々。
均一が求められるコールドバレエには不向きな取り合わせともいえるし、当然
プリンパルにはラテン系、アジア系、アフリカ系のダンサーもいるわけで、ラテン系
アルブレヒトなんかもロイヤルではありなのです。
それがいいか悪いかは別として、日本人の私でもどうしても違和感を感じてしまったり。
やっぱり人種的に向き不向きなキャラクターもあるわけで、単純にテクニック面だけで
主役にするのはどーなのかなって。古典作品なんかでは説得力に欠けてしまうんじゃないかなと。

その多様性を逆手にとったのがこの「アリス」なんじゃないかと。
リハーサル映像見ただけでもこれはこのダンサーが踊ることを想定して振り付けられた役なのだ
と一目で納得だったのです。
エドワード・ワトソンが演じた神経質そうな白うさぎ
帽子屋のスティーブン・マクレイのキレッキレっのタップダンス
ハートの女王を演じた大柄なゼナイダ・ヤノウスキーのローズアダージオのパロディ
イモムシを演じた黒人ダンサーのセクシーなアラビアンダンス
ハートの女王にいたってはは若手コリオグラファーが往年のプリマバレリーナに何させれ
るんじゃあって役どころで、しかも本番の本人のはじけっぷりは半端じゃなかった(笑)
ロイヤルオペラハウスが爆笑の渦に包まれるという←カーテンコールの時なんて他の出演者
まで彼女を見て失笑(笑・笑)
いつもはチャーミングな王子役のスティープン・マクレイもこういう役のほうが合ってるん
じゃないかと思わせるくらい楽しんでる様子。メイクがすご過ぎてもはや彼だと判別できず。
ローザンヌでも披露したというタップダンスのシーンはまさに見せ場です。
キャタピラーダンスを踊った黒人ダンサーも身体能力に優れていて怪し気な雰囲気がよく出
ていました。インドのラジャの役なんてこのダンサーでなければ不可能なんじゃないかと。
この作品では群舞のシーンがあまりなく、それぞれのキャラクターが様々な振付で踊ってい
るところがおもしろい。個性豊かなダンサーのキャラクターが舞台で生かされてるのです。


この作品においての主役=アリスはどちらかというと物語の傍観者であり、アリスのソロは
他のダンサーの早替え&舞台転換の時間稼ぎとみた。ラストで冒頭のお茶会のシーンに戻ると
思いきや現代にタイムスリップしてしまったのは単純に早替えが間に合わなかったためかと。
んで相手役=ジャックは王子様ではなくアリスに助けられる庭番の青年で、クレイジーな
キャラクターの中の一服の清涼剤かつ掃きだめにツル的存在なのでした。
この役を踊ったのがワジム王子の好敵手?ウクライナ出身のセルゲイ・ポルーニン。
なにせ同じ2006年のローザンヌのファイナルで一位と二位を分け合った二人なのです。
ポルーニンが一位、ワジムが二位。一足先にロイヤルバレエ学校に留学していたポルーニンに
薦められてワジムもイギリス留学を決めたそうです。バレエ学校卒業時ポルーニンはそのまま
ロイヤルに採用されワジムはENBにスカウトされそちらに入団したそう。
でもその2年後ポルーニンがバレエ団を電撃退団、さらにその後その穴を埋めるかたちでワジムが
ロイヤルに移籍したといういきさつがあります。なんとなく因縁を感じます。
そんな二人ですがタイプは正反対。同じロシア人ダンサーでも優しい顔立ちに物腰柔らかな
ワジムに対しポルーニンは眼光鋭いワイルドな印象。なにせ『世界一優雅な野獣』(←今月公開)
ですから。上半身にタトゥーを入れるわドラックを使用するわでロイヤルでも持て余して
たそうです。そんなポルーニンですがこの「アリス」では爽やかな青年役に徹してます。
ハンサムだし若いしテクニックは抜群だし、彼が退団しなかったらワジムとかぶっただろうなあ。
ポルーニンの退団後、ワジム王子もジャックの役を踊ったそうなのでDVDではその辺変換しながら
見ることにしました。

この作品、どことなく使われている手法がジャズダンススタジオのキャサリン先生を思い出させ
るんです。みんながそれぞれ違う振付で舞台を横断する振付とかアリスの視点で客席が舞台に
なる場面とか身に覚えがあるんです。踊ってる本人は完成図がわからないんだよね。
後で映像みてなるほど~って関心したものです。コリオグラファーのセンスだなあ~。
時計の針の音をモチーフにした音楽やトランプをアレンジしたポップな舞台装置なんかも斬新で。
こういう舞台も嫌いじゃないです。ロイヤルやるな~って感じの作品でした[るんるん]



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