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時よ止まれ [学校生活]

合唱祭は高1までなので、高3ではもちろんありません。
しかもこのコロナ禍、合唱祭が通常開催されたとは思えない。
でも私は聞いたのです。懐かしいあの子たちの歌声を。
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コロナ禍で一度も学校に行くことのなかった昨年は、担任の顔もわからないまま
一枚の写真もないまま終わりました。次に登校するときは卒業式?と思っていたら、
さすがに高校3年生ともなると6月に進路説明会、7月に3者面談、11月に2者面談と
学校に行く機会が何度かありました。
3者面談で初めて会った息子の担任はいかにも名門校のベテラン教師といった雰囲気
の先生でした。自分ももう50代なので年はそう違わないのだろうけど、やはり品格
があった。そして思った。この子は小学校から12年間、担任に恵まれていたと。
しかも最終学年でいい先生にあたっている、と思った。その先生は政経の先生で、
息子は理系専攻なのだけれど、大好きな科目だそうです。昔から大好きな先生の科目
は頑張る傾向があった息子は政経の「日本国憲法」のレポートがんばった!
なんと先生の担当クラスのなかで「大賞」に選ばれ、賞品の図書券もらってきた!
その先生の講評が嬉しかった。

「世の中には正しいことを言って人気があってもイマイチ役に立っていない人がいま
すがこのような堅実で誠実な姿勢をもつ人は本当に物事を良い方向に変えてくれる気
がします」「2位以下を大きく引き離しての大賞です」と。
これ以上の褒め言葉ってある?
これ以上の人格肯定ってある?(涙)

中学のときも地学だか歴史だか文系科目の先生が好きでその教科に力を注いでいた
息子。先生はそう言った息子の資質を見抜いていて”専攻は理系だけど、いわゆる理
系バカではなく、様々な角度から物事を見られるのが強味であり今後の可能性”と評価
してくれました。

ただ7月の面談でも今回の面談でも言われたことは確実に志望校に合格できるタイプ
ではないと。こういう学校にいると毎年必ず「この子は絶対大丈夫」というタイプ
の子がいるそう。でもうちの子はそのタイプではないと。そのことは本人にも伝えて
あって、とりあえず共通テストでいい位置につけるようがんばろうと。
共通テストが終わって自己採点→願書提出のあたりが親も学校も本人も一番バタバタ
するそうです。共通テスト直前の〇大模試の判定はほぼそのまま本番の判定になるとも。

先生からは他にもとても興味深い話を聞きました。昨年この学校から〇大は現役で
15人合格しているのですが、そのうち6人が内部生だったそう。女子はいなくて、
この学校の成績上位者はほぼほぼ男子。恐らく優秀な女子はこの学校を選ばないので
はないかと。
それから3年生になると文系クラス、理系クラスに分かれるのだけど優秀な生徒は理系
クラスに集まり、文系クラスは運動部が多いと。これは息子談。確か毎年理系5クラス
に対して文系3で、理系クラスは男子ばかりになりやすいとか。
それから先生はこの学校にくる以前は県内の中堅校にいたそうですが、その学校では
進路指導のためのデータ集めやデータ解析するシステムがあったそうですが、この学校
にはそのシステムがないと。なぜなら必要ないからと。わかる。
だってここの学校はみな最初から国内トップの〇大と県内トップの〇大と東〇大に三つ
しか視野にないから。40%は浪人だから(汗)「どこでもいいから合格したい」とか
「この偏差値だったらどこに合格できるか」とかそういった進路指導は求めていない
のです。
そもそも息子たちの中学の校外学習は〇大キャンパスだった。中学の理科の授業では
隣の〇大医学部キャンパスの研究室から出張授業あった。中3の海外異文化学習では
ハーバード大学のキャンパスツアーに参加してた。
あの時手にした魚はやはり大きかった。

もちろん先生からは太鼓判押されたわけでなく、イバラ道であることは確かですが
息子はすごく前向きです。そもそも勉強苦痛じゃないので、それはそれで楽しむ余裕
があるよう。大丈夫、中学受験も十分イバラ道だったから。なにせみなに内緒だった
し最難関といわれビビッていた。しかも一次試験から合格発表まで2か月かかった。
大学受験はもっと長期戦になるかもしれないけれど、自分のペースで勉強楽しんで
欲しい。

そしてこの日、学校にやってきた私たちの耳に流れてきたのが中学生の合唱祭の練習
する歌声だったのです。なんでも明日が合唱祭だとかで、講堂で練習していたのです!
私の知っているあの曲やこの曲のメロディが流れてきたとき、何かの錯覚なのかと思っ
た。二年前にこれが最後の合唱祭って思ったし、コロナ禍で学校に父兄がいくことも、
みんなの歌声を耳にすることももう二度とないだろうと思っていたから。
それは小学校のコンサートで聞いたあの時の歌声、中学校3年間の合唱祭、そして高校
1年の最後の合唱祭で聞いた、まさにあの歌声でした。いつまでもいつまでも聞いてい
たいと願ったあの歌声。息子の友達のあの子やこの子、サッカー部の先輩の”彼”の声。
子供の歌声には親の涙腺を緩める魔法があります。この年代の子供だけがもつ張りある
まっすぐな歌声。これ以上の旋律を私は知らない。もう一度聞けるなんて、思いがけない
プレゼントでした。

物事には始まりがあれば終わりがある。でも必ず次がある。これが最後、と思うと懐か
しむ気持ちでいっぱいになるけれど、こうして良い締めくくりができたのだから、前に
進んでいかなくては。
昨年の「ボーイズクラス、ラストレッスン」もそうなのだけど、親の私がどうしても
懐かしんでしまうんだよね。

でも昨日、息子が「お弁当は今日が最後だと思う」「授業も今日が最後なんだと思う
とめちゃめちゃ感慨深かった」と言っていました。、、って後半は遅刻やら欠席やら
親をハラハラさせどおしで、高校生活無駄遣いしてたくせに~~
ま、一応本人にもこれが最後、という気持ちがあるようです。
親ぐるみで学校楽しんだと思う。面接の最後に感謝の気持ちを伝えたくて、先生に
「この学校に中学から入れてうちの息子はとても恵まれていました」と、この6年間
携わったすべての先生を思い浮かべながら言いました。



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