ロシア選手権を見ながら全米を想う

年末だというのにスケート話。４年に一度のこの季節スケオタの脳内はみんな同じだと思う。
もはや受験生の母の気分。


ロシア男子を観戦するもものすごいムチャぶり→総自爆大会で青ざめる
、、この人たちこのジャンプ構成で練習で跳べていたんだろうか、、、、
これで「４回転複数入れた」ってことになるんだろうか、、
前のエントリーでジョニーやバトルは４回転は跳べないって書いたけど、彼らの名誉のため
に言えば練習では跳べてたんだと思うよ。でも試合で跳べないんじゃ跳べることにはならない。

せめて単発にしてもう少し滑ろうよって思った。んで表情作ろうよ（オフアイスでも笑顔なし）
もうちょっと音楽にあった振付にしようよ、衣装ももうすこし曲想にあったものにしようよ、、
んでまさかのボロノフ台落ち（涙）う～んバンクーバーのジュベール思い出しちゃうなあ、、、
それまで鉄板だった４回転が突然入らなくなるという悪夢。やはり大技頼みのＰＧは怖い。

確かにあの状況のなか４回転単発しかいれないって選択はないのかもしれない。
それ以前にこういう国だと４回転跳べない時点でスケートやめるんだろうか。ロシア男子の
層は薄く、枠も１枠か２枠。４回転の跳べない選手が活躍できる場はないのだろう。
ロシア男子がバレエダンサーだったのは今は昔。４回転時代到来ともにそういう王子様系の
滑りをする選手はいなくなった。んでヤグディンやプルのような４回転跳べる選手が一時代
を築くのだけどそれでも彼らは旧採点方時代の選手。４回転跳べてなおかつ滑りもまとめら
れる選手はなかなか現れない。男子も女子はロシアの選手は短命で若ければ若いほど有利みたい。
その中でもボロノフ頑張ってたのに、、、でもお客さん温かった。あの殺伐とした自爆大会で
彼だけが手拍子で支えてもらってた。

今の男子シングルで４回転をとばない選択をすることはすごく勇気がいることだ。
すでに金メダルは狙っていないって宣言したようなもの。それどころか下手したらＳＰの時点
で今まで負けたことのない若手の後塵を期す危険だってあるわけで、ある意味ハイリスクな賭
けだ。んで勝ったら勝ったで賞賛よりも「４回転なしで勝った」「ほかの選手のミスで勝った」
とたたかれることを覚悟しなければいけない。後々まで「クワドレスのチャンピオン」って汚名
を着せられる。
それでも４回転を入れない理由、もっというと４回転を跳べないのに現役でいる理由ってなん
なんなのだろう？

今シーズンのＮＨＫ杯で久しぶりにリッポン君を見たときすごく驚いた。正直４回転のない彼
が淘汰されずに現役やってることが驚きだった。しかも全米制したというし、昨年のファイナル
も進出したというし。
久々に見るリッポン君はかつてのリアル天使時代ともカミングアウトした後のパンク時代とも
違うすっかりマッチョなイケメンになっていてこれまたびっくり。でも音楽がかかって滑り出
した彼は昔のままの彼だった。優雅でしなやかで丁寧な滑り。
ジョニーの白鳥が女性的ならリッポン君の鳥には男性的な美しさがあり、あっという間に惹き
つけられた。たぶんこの年齢の選手だから表現できる世界なんだろうな。音楽、振付、衣装、
表情、すべてに彼の美意識が感じられた。彼をずっと応援してきたファンは嬉しいだろうなあ。


そのリッポン君が演技中に唯一”素”に戻った部分がスケアメのフリーで転倒した時で、あの
時の追い詰められた表情、そしてすぐに立ち上がって演技を再開した姿で彼がどーしてもオリ
ンピックに出たいと願っていることがわかった。私が８年前に「フィギュアスケートは死んだ」
と思って期待するのをやめてしまい、ソチ五輪以降スケート界がやれ４回転複数回だ３００点越
えだと騒いでいる間もオリンピックへの夢を捨ててなかったんだ。
そんなリッポン君や同じく４回転のないジェイソン君が全米チャンピオンになったり国際大会
で対等に闘えてるのは、彼らのスケートがそれなりに評価されてる結果なんだよね。そこら辺
を心の支えに現役続けてきたのかなって。、、、フィギュアスケートはまだ死んでなかったのかもしれない

全米でリッポン君がすべきことはただひとつ、ジャンプ構成を変えないこと！
４回転という地雷を踏んではいけない。バンクーバーでのジョニーがそうしたように。
あの時ＳＰ６位だった時点でジョニーは４回転に挑むのではないかって噂が流れた。
あそこで４回転跳んでミスしてたらそれこそジャッジの思うツボだったんだ。
ってスケアメ見る限りリッポン君はアメリカで愛されてるみたいだし、ライサみたいな宿敵
いないから全米は大丈夫だよ！ホームでの試合を楽しんで欲しい！！

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