スケータの気分です

本番まで一週間を切り、私の体内時計はカウントダウンを始めました。もう多分、発表会のことしか考えられない。「地球へ」の先週放映分も、DISCASの映画も、借りた本もCDも、それから昨日届いた「ワールド・フィギュアスケート」最新号も見る余裕ないです。今は衣装直しと、ビデオチェックとそれから添削こなすので精一杯。幸い幼稚園始まってくれた～。
　先週末、はじめて舞台入りしました。なんか公式練習始まったスケータの緊張感を味わってます。今まで狭いスタジオで鏡前に練習してたから、やっぱり最初は感覚がつかめず、まさかというところでミスをしたした。ほんと、プレッシャーはどこから襲ってくるのかわからない。って荒川静香のコメントだよね。舞台の上でしかも自分が最前列で踊ってるときって、もう頼りは音楽だけなのだよね。音楽が自分を救ってくれるって、これはジョニーのコメントだったけ。とにかく、この日は最後まで体にエンジンがかからず、ぼろぼろ。まる一日練習して、食事を取る暇もなく、いつもの練習より疲れ切りました。楽屋に帰ってる暇がないのだもの。マラソンみたく給水所が必要だよ。当日だってそれは同じ。
　それにやっぱりすごく、胸がいっぱいになりました。ここで本番迎えるんだって。いつもの音楽が会場で響いているだけで、もう吐き気。でも大丈夫、五回目だもの、って自分を落ち着かせる。きっと、お客さんや照明で当日はアドレナリン大放出すると思う。本番って「祭り」だと思う。すべてがたった１時間半で終わる２年に一度の祭りだ。すべてがここでひとつになる。いつもの日常からまったく別世界の祭り。それをこれから味わおうという興奮でやっぱり胸がいっぱいになる。
　この日、練習中はあま撮れなかったビデオ撮影をダンナに頼んでしてもらいました。すっごく勉強になった。ダビングしてみんなにまわしたした。この期に及んでできることと言ったら、己で己の動きをチェックすることくらいだもの。なにより、第３者であるダンナのコメントが聞けてよかった。「結構よかったよ。そろってて」って。う～ん、練習はじめて、はじめてこのとき”この舞台大丈夫かも”って思った瞬間でした。だって、実際舞台にたったこのとのあるダンナの発言だもの。自分でもビデオ見て思った感想は”思ったほどひどくない”でした。でももうこれで十分。もちろん自分的には、あれだけやってこれだけ？感はあったけど、まあお客さんに見せられるレベルになってればもう十分。
　やっぱり、スタジオを持ったメリットが現れたかなと思いました。８月に入ってからの追い上げが
間に合ったかも。よかった。昨日、練習納めをしてきました。これだけ練習したからもう悔いなし、という満足感のもと、スタジオを後にできたことを幸せに思いました。あとは、体と精神を安静に保ち、土曜から日曜にかけて集中力を高めていく作業に専念するのみです。本番はその一過程にすぎません。OPの音楽が流れたら、後は全て練習どおり、自動操縦状態にもっていけばよいのです。不安から今は楽しみに変わりつつあります。私はがんばった。この夏をこの舞台に掛けた。猛暑の最中、キャリーバックを引きながらスタジオに通った日々。コンビニ生活もみんなひとつ残らず、大切な思い出。なにかがずっと私を突き動かしていました。その想いが本番で成就するのです。そういう予感で今は胸がいっぱいです。もちろん舞台は生ものだから思わぬハプニングもつきもの。それも楽しむくらいの気持ちで行きたい。生理も台風も今日きてくれたことだし思い煩うことはもうない。
　スケータも公式練習から試合まで緊張感を高めていく作業が重要なんだろうね。公式練習でぼろぼろでも、試合で見事な集中力を発揮できる選手っているもん。全てがひとつの過程にある。でもスケータって孤独だと思う。あくまで競技だから。みんなでひとつものを作るという作業でないから。孤独な自分との戦い。あの孤独のなかで演技するって相当な作業だと思う。なんのために滑るかというモチベーションがしかっりないと自分を見失ってしまうでしょう。
　私はひとつの舞台を構成するメンバーのひとりでしかありません。それも二軍選手もいいところ。
でも、そんな自分でいいのです。踊りだって自分にはできないジャンルがあるわけで、かなわない夢だってあります。大切なのは自分のスタンスを明確にし、その中で自分の持ち味を生かしてもらうこと。自分というキャラを生かしてもらい、その期待に答えることがここでの私の役割なのです。今更の向上心は私にはありません。手持ちのカードを生かすのみ。与えれた振りをこなし、なんとかその曲の雰囲気を出したい。
　ささやかな目標として心にあることは、スタジオにリノリウムが敷かれたことだし、ポワントやりたい！多分人生最後のチャンス。それと、木曜暇だから子供にダンスやらせるか？（それが自分もダンス続行できる手段かなと）